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考えろ、考えろ、考えろ 伊坂幸太郎×大須賀めぐみ『魔王 JUVENILE REMIX』 [漫画]

久しぶりになりますが、思い出したかのように更新いたします。 

思い出しついでを申しますと、『ONE PIECEが2017年で連載20周年だそうで。
いろいろと話が展開していますが、本筋の進み具合を考えると、随分とちんたらやっているな
と思わないでもなかったりします。

と悪く言っても仕方ないのですが。
それにしても、20年か…、と思います。そんなに経っていないのでは、と思ってしまいますね。

そんな、いつの間にそんなに時が経ったの?と、思うことが先日ありましたので、
それに関して今回は書いてみようと思います。

DSCN0022.JPG 

そんなわけで、タイトルの通り、
伊坂幸太郎×大須賀めぐみ『魔王 JUVENILE REMIX』(小学館)
全10巻です。

奥付を見ましたら、2007年から連載が始まった作品なんですね。 
数年前の作品とばかり思っていましたが、いつの間に…、と思ってしまいます。

この作品、連載当時は、連載の途中から、掲載誌できちんと読むようになりまして、
タイミングを逃してしまって単行本でも追うことなく、
面白かったなぁ、と思ったまま、そのままになっていた作品です。

それが、先日、何故か、ネットでサイトを眺めていると、ちょいちょい入ってくる宣伝の中のひとつに、
「古本のセットで、買ってみてはどうかね?」と言わんばかりに、やたら推してくるため、
縁を感じ、上記の画像の通りとなりました。 

どんな作品かという点についても。

再開発が進んでいるものの閉塞感が漂うある町が舞台。
行政主導で再開発を進めているものの、その閉塞感が打開されるとは思えない。
そんな明るい展望が見えない中、一人のカリスマ「犬飼」が現れ、それに盲目的に信奉する人たちが増えていく、
それに対し、自らの頭で考えずに皆が煽動されていくことに違和感を感じた主人公「安藤」は、警鐘を鳴らそうとするのだが…、
という話です。

この辺りは、短絡的にものを考え、分かり易い人に乗っかっていくような今の世相に通じる所があると思います。

少し具体的に作品について話しますと、
皆が人に流されていく大きな流れ「洪水」に対抗するのに、一個人の力ではあまりに小さすぎるため、
味付けとして、異能を主人公に付与し、サイキックバトルのテイストが混じってきます。

作品の主人公「安藤」が持つ異能は、「腹話術」。
それは、自分が思っていることを強く念じることで、他者に思っていることを喋らせることができる能力。
…まったくもってバトル向きではない能力なのですが、これを武器に「安藤」は周囲の大きな流れにあらがいます。

また、作品中「安藤」が「犬飼」に対して他の人と異なり、危険なものを感じ、犬養と対決することになっていくのですが、
そのきっかけは、普段見せる顔と異なる裏の顔を垣間見たことがあります。
この点は作品世界にも反映していて、一般社会とは別の、アンダーグラウンドの社会が多く描かれることにもなっています。 この辺りが漫画的というのか、ちょっと現実離れしている印象を与えてしまうように思います。
そこはそれ、漫画ということで。 

そして、作品のタイトル「魔王」ですが、普通に考えると、人をひきつけ煽動していく、「犬飼=魔王」なのですが、
はたして…?というところも読んでいて、楽しいです。
「寄生獣」のタイトルにも通じると言いますか、むしろ「魔王」の方が、より上手いと感じます。 

ところで、この作品、私が面白い、と思ったところは、主人公が「考える」ところ。
難しい問題に直面したり、自分の手に負えない、どうしようもないと感じたりしたときに、
「自分にはどうしようもない」「無理だ」と、あきらめてしまって、誰かに判断を委ねてしまうのは楽だし簡単なんですが、
それをずっと推し進めていくと、終局的には、今問題となっているポピュリズム、ひいては独裁を許す事態に陥ってしまいます。

自分に与えられた条件の下、何ができるのか、主人公はひたすら考えます。
そして、「犬飼」を絶対視して、犬飼のいうことは絶対だと、考えることを放棄すること、大多数の人間がそうするからと
流されていくことを危険視して、「考えろ!」と呼びかけます。
私自身も、考えるということの重要性を感じることが多いので、この辺りがいいんですね。

私は、仕事などで、どうやるのか、自分で考えずに、他者に「答え」を求める人が嫌いです。
人に訊いたらこう答えられたから自分はその通りにやった、だから自分には責任がない、
と責任を負わずに、楽に仕事をしようとする人が嫌いです。
無論、どうやったらいいのか、見当もつかないことはあるでしょう。
その際に、助けを求めるなというものではないです。ただ、自分にできることをやり尽くして欲しいと思います。
そして、安易に考えることを放棄して、自分には責任がないと人に下駄を預けるな、と言いたいのです。 

そんなことを感じられるこの『魔王 JUVENILE REMIX』 という作品、機会がございましたら、一読していただきたいものです。

ただこの作品の入手は、伊坂幸太郎の原作は文庫化されていますが、コミックの方は文庫化されていないみたいで、
古本以外で入手するのは難しいかもしれません。
何ででしょうね。拙さが目立つと感じて、文庫化を嫌がっているんでしょうか。
…良い作品だと思うので、もっと簡単に入手できるようになってほしいものです。

という事で今回は、最近本を読む時間が取れていないので、時間を作ろうかなぁ、と思うきっかけにもなりました、という話。 


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