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考えろ、考えろ、考えろ 伊坂幸太郎×大須賀めぐみ『魔王 JUVENILE REMIX』 [漫画]

久しぶりになりますが、思い出したかのように更新いたします。 

思い出しついでを申しますと、『ONE PIECE』が2017年で連載20周年だそうで。
いろいろと話が展開していますが、本筋の進み具合を考えると、随分とちんたらやっているな
と思わないでもなかったりします。

と悪く言っても仕方ないのですが。
それにしても、20年か…、と思います。そんなに経っていないのでは、と思ってしまいますね。

そんな、いつの間にそんなに時が経ったの?と、思うことが先日ありましたので、
それに関して今回は書いてみようと思います。

DSCN0022.JPG 

そんなわけで、タイトルの通り、
伊坂幸太郎×大須賀めぐみ『魔王 JUVENILE REMIX』(小学館)
全10巻です。

奥付を見ましたら、2007年から連載が始まった作品なんですね。 
数年前の作品とばかり思っていましたが、いつの間に…、と思ってしまいます。

この作品、連載当時は、連載の途中から、掲載誌できちんと読むようになりまして、
タイミングを逃してしまって単行本でも追うことなく、
面白かったなぁ、と思ったまま、そのままになっていた作品です。

それが、先日、何故か、ネットでサイトを眺めていると、ちょいちょい入ってくる宣伝の中のひとつに、
「古本のセットで、買ってみてはどうかね?」と言わんばかりに、やたら推してくるため、
縁を感じ、上記の画像の通りとなりました。 

どんな作品かという点についても。

再開発が進んでいるものの閉塞感が漂うある町が舞台。
行政主導で再開発を進めているものの、その閉塞感が打開されるとは思えない。
そんな明るい展望が見えない中、一人のカリスマ「犬飼」が現れ、それに盲目的に信奉する人たちが増えていく、
それに対し、自らの頭で考えずに皆が煽動されていくことに違和感を感じた主人公「安藤」は、警鐘を鳴らそうとするのだが…、
という話です。

この辺りは、短絡的にものを考え、分かり易い人に乗っかっていくような今の世相に通じる所があると思います。

少し具体的に作品について話しますと、
皆が人に流されていく大きな流れ「洪水」に対抗するのに、一個人の力ではあまりに小さすぎるため、
味付けとして、異能を主人公に付与し、サイキックバトルのテイストが混じってきます。

作品の主人公「安藤」が持つ異能は、「腹話術」。
それは、自分が思っていることを強く念じることで、他者に思っていることを喋らせることができる能力。
…まったくもってバトル向きではない能力なのですが、これを武器に「安藤」は周囲の大きな流れにあらがいます。

また、作品中「安藤」が「犬飼」に対して他の人と異なり、危険なものを感じ、犬養と対決することになっていくのですが、
そのきっかけは、普段見せる顔と異なる裏の顔を垣間見たことがあります。
この点は作品世界にも反映していて、一般社会とは別の、アンダーグラウンドの社会が多く描かれることにもなっています。 この辺りが漫画的というのか、ちょっと現実離れしている印象を与えてしまうように思います。
そこはそれ、漫画ということで。 

そして、作品のタイトル「魔王」ですが、普通に考えると、人をひきつけ煽動していく、「犬飼=魔王」なのですが、
はたして…?というところも読んでいて、楽しいです。
「寄生獣」のタイトルにも通じると言いますか、むしろ「魔王」の方が、より上手いと感じます。 

ところで、この作品、私が面白い、と思ったところは、主人公が「考える」ところ。
難しい問題に直面したり、自分の手に負えない、どうしようもないと感じたりしたときに、
「自分にはどうしようもない」「無理だ」と、あきらめてしまって、誰かに判断を委ねてしまうのは楽だし簡単なんですが、
それをずっと推し進めていくと、終局的には、今問題となっているポピュリズム、ひいては独裁を許す事態に陥ってしまいます。

自分に与えられた条件の下、何ができるのか、主人公はひたすら考えます。
そして、「犬飼」を絶対視して、犬飼のいうことは絶対だと、考えることを放棄すること、大多数の人間がそうするからと
流されていくことを危険視して、「考えろ!」と呼びかけます。
私自身も、考えるということの重要性を感じることが多いので、この辺りがいいんですね。

私は、仕事などで、どうやるのか、自分で考えずに、他者に「答え」を求める人が嫌いです。
人に訊いたらこう答えられたから自分はその通りにやった、だから自分には責任がない、
と責任を負わずに、楽に仕事をしようとする人が嫌いです。
無論、どうやったらいいのか、見当もつかないことはあるでしょう。
その際に、助けを求めるなというものではないです。ただ、自分にできることをやり尽くして欲しいと思います。
そして、安易に考えることを放棄して、自分には責任がないと人に下駄を預けるな、と言いたいのです。 

そんなことを感じられるこの『魔王 JUVENILE REMIX』 という作品、機会がございましたら、一読していただきたいものです。

ただこの作品の入手は、伊坂幸太郎の原作は文庫化されていますが、コミックの方は文庫化されていないみたいで、
古本以外で入手するのは難しいかもしれません。
何ででしょうね。拙さが目立つと感じて、文庫化を嫌がっているんでしょうか。
…良い作品だと思うので、もっと簡単に入手できるようになってほしいものです。

という事で今回は、最近本を読む時間が取れていないので、時間を作ろうかなぁ、と思うきっかけにもなりました、という話。 


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少年は光をめざす -木口糧×若松卓宏「盤上のポラリス」- [漫画]

元々は自分に備わっていないのに、ふとしたところから、または人から、面白いことを知ったりすることがあります。
ひとつ具体例をいうと、私の場合、今の仕事に就く機会を与えられたのが、前職の方の一言でした。
こんな資格があり、やれることが増える。私が貴方の立場なら、こんなところにいつまでもいないで、その資格を取って、違う事をする、とそんなことを言われ、数年後、確かに仕事を変えることになりました。

給料は安くなってしまったので、経済的にはそれが良かったのか、微妙なのですが、前職はもう続けられないと思ったので、違う職に就けるスキルを見つけられたのは、きっと良かったのだろうと思います。

漫画においても、自分の知るところからは、決して読むことのない漫画を、ふとしたことから読む機会が得られたりすることがあります。今回はそんな漫画を採り上げたいと思います。

ということで、木口糧(原作)、若松卓宏(作画)「盤上のポラリス」(講談社)です。
現在、月刊少年マガジンに連載されていて、単行本は3巻まで刊行されています。 

ざっくりとしたあらすじなどを申しますと、こんな感じ。
舞台は長崎の離島。小学五年生の一兵は、伝説の勇者にあこがれて冒険に出ることを夢見ていた少年。冒険に行きたくても行けないと実感してしまった経験があり、でも冒険に行きたいと胸に秘めながら日々を元気に過ごしている。
そんなとき、病弱な女の子(で、可愛い)の転校生ひめが気になり、自分と似たところを感じ惹かれていく。
彼女の夢は、チェス盤の上を冒険していき、チェスのグランドマスターを目指している。一兵は、彼女とチェスをすることで盤上の冒険の世界を見て、新しい冒険の世界を見出す、という話。

作品としては、しばしばみかけるパターンを複合しているものですね。
一つは、門外漢のものが新しい世界に触れ、その世界における才能の一端が見られて…という、「ヒカルの碁」も同じパターンですね。丁度、二人で行うボードゲームという辺りも同じだったりします。
もう一つは、新しい世界の扉を開く端緒となったのが、主人公の少年が少女に出会って…という、a boy meets a girlなパターン。
そして、新しい世界に飛び込んだ先に現れる、強いライバル。…何か王道ですね。

では、陳腐なものでさして面白くないかというとそういう事ではなく。
周辺のキャラクターが次第に出てきて、ただメインを埋没させずにいいバランスで配置されていて、また作品を盛り上げる時の演出が、なかなか秀逸ではないかと思います。少年誌のワクワク感がしっかり出ていて、良いですね。
主人公一兵の才能の一端の描き方が、盤上に光を見出し、そこに至るにはどうしたらいいか、という描写も個人的に好きです。
王道的な展開をいかに見せるか、演出面に心地よさがある作品ではないかと思います。
そして多分、ライバルの父のモデルは、実在のチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーなのかな?と思わせたりして、遊び心もあるところもまたいいなぁ、と思います。 

この作品、掲載誌が月刊少年誌で、自分ではなかなかそこまでフォローできないところです。
多分、私がこの作品を知ったのは、amazonの自分へのおすすめで挙がっていたからだったと思います。
検索や購入履歴からおすすめをリストアップするものだと思いますが、なかなか侮れないなぁ、と感じます。

余談ながら、私の場合、いくつか書籍のネット通販のサイトを利用しているのですが、それらのおすすめを見て、新規の開拓をしてみることがあります。…まあ、たまにハズレますけどね。 

という事で今回は、少年は荒野をめざすという言葉が似つかわしい作品だなぁ、と思っていたら、吉野朔実の同名の作品を未読なので読んでみたいなぁと、こんなふとしたところから興味が広がっていきまして、まさに冒頭で話したことにつながってオチがつきました、という話。 


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外見とは裏腹、見た目通り、人が好き -安藤ゆき「町田くんの世界」- [漫画]

あまり間を置かずに更新。 

なんとかしてこのくらいの間隔でアップの習慣をつけたいです。もっと頻度上げないとダメな感じもしますが、まあ、無理しても続きませんし。 

で、今回は、表題のある通りの作品になりますが、少女漫画に分類される作品について少し書きたいと思います。
安藤ゆき「町田くんの世界」(集英社)になります。

どんな作品かというと、こんな感じ。
主人公の町田一くんは、高校生の16歳。物静かでメガネの外見で真面目なのですが、要領が悪く、不器用。
学校の成績は、追試の対象になったりするくらい、よろしくない(メガネなのに)。
で、外見に似合わず運動神経が優れているのかというと、こちらはみたまんま。こちらもあまりよろしくない。
本人もそれを自覚していて、自分に得意なことなんてあるのかと思ったりします。
でも、周囲から彼は恰好良いと言われたりしますし、愛されています。
それは何故かというに…、という話。

描線は、マーガレット系というのか(私の偏見かもしれませんが、マーガレットで描いている方はそこそこの割合で描線がやたらと細い印象があります)、丸ペンで描いた極細の描線。 背景の家や家具などは、写真をもとに手描きしているんでしょうか、リアルな感じですが、硬質な感じではなく、作風にマッチしているように思います。

作品内容の感想についても。
こんなにすれていない、ナチュラルに人が好きという人物がいる?と思わないでもないのですが、
そこはそれ。ものがたりということで、となってしまうのですが、大事件があっての非現実感ではないので、あまりにリアルから乖離している絵空事、と感じて白けてしまうようなことはないように思います。
適切な浮遊感で、幸せを感じられる作品になっているように思います。 

キャラクターが何でもできるスーパーマンでないところも影響しているのかもしれませんね。
むしろ、真面目だが、要領が悪く、勉強も運動も残念でと、何らかの評価をするなら、「できの悪い人」という設定ですから。

ただ、本当に出来が悪いのかというとそうでもないような気がします。
というのも、人の好さ、という評価は難しいのかもしれませんが、IQであるとか、運動能力といった目に見えやすい、いわゆる認知能力ではない、非認知能力が高いキャラクターなのかなぁ、などと思うからです。
そうであるとすると、主人公はできの悪い人などではなく、見えにくいところの能力が非常に高いのですから、主人公の周囲の評価は決して悪くない、社会的な成功に結びつくのも自然なこと、なのかもしれません。

また、主人公の町田くんの語りは、道化が真理を語るのにも似たような印象があります。
社会をまっすぐに見られない人に対して、愚直なまでにまっすぐに見たことをそのまま伝える。ただ、道化がよくやる婉曲的な人をけむに巻くような言い回しは全くしませんけれども。 道化というより、愚者、の方が適切でしょうか。

…まあ、そんなことを考えずとも、主人公の町田くんの目を通した世界は素晴らしく見えますので、興味を持たれた方は、その感覚を共有していただければと思います。

という事で今回は、「ナチュラルボーン」とか「町田イズム」とか、自分には一切ないなぁ、と思いながら、 町田くんの世界はきれいだと分かるから、それでいいかなと思う、という話。


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久々の更新並びに 芸は身を助く -さだやす「王様達のヴァイキング」- [漫画]

はじめましての方も、久しぶりにご覧になる方もいらっしゃるかと思います。
ブランクがありましたが、何事もなかったかのように再開。
世はヴァレンタインデーですが、その辺りも特に触れずに再開…。

…とはいうものの、書き方を忘れてしまっているでしょうから、
以前をご存知の方からしますと、趣やら何やらも変わってくるかもしれません。
その辺りは適当に流してご覧いただければ幸いです。

そして、何事もなかったかのようにとはいうものの、完全スルーも変な感じなので、多少触れておきますと、
中断する前との変化も、プライベートではいろいろ変わっていますね。

中断前にも書きましたが、仕事が変わりました。それで、一番酷い頃ほどではないにせよ貧乏に逆戻りしてますし、引っ越ししましたし、老眼になりましたし、所帯持ちになりました。

…大いに変わっていますね。

ただ、本質はあまり変わっていません。
漫画を大量に山積みにして、適当に読んでいるのは相変わらず、です。
未読率が上昇傾向なのがげんなりします。「貧乏暇なし」を地で行っております。

とまあ、自分についてさておき、相も変わらずの漫画の話でもできればと思います。

最近読んでいるものについて、徒然と挙げていければと思います。

今、目の前にあるものを挙げますと、
さだやす「王様達のヴァイキング」(小学館)があります。
スピリッツに連載中の作品で、今のところ9巻までが刊行されていると思います。
ので、ご存知の方からすれば何を今さらなんですが、どんな作品かと言いますと、こんな感じ。

サイバー犯罪を扱った作品で、主人公は元犯罪者(クラッカー)の凄腕の技術者(ハッカー)※の、是枝。

※作中触れられていますが、ハッカーとはCP技術に秀でた者の称号であって、
不正侵入等悪事を働く者のことはクラッカーと呼ぶそうな。

ただ、バイトも全然続かず、すぐに馘になってしまうような、日常生活に支障を来すほどの、
いわゆる「社会不適合者」なのですが、ことコンピュータのことに関しては、常人にはできないことができてしまう天才。
そして、その彼の才能を見出し、世界を征服しようと持ちかける投資家坂井が現れて…という話。

私の思うところとしては、
実際のところ、作品で描かれていることが現実可能なのか、どれだけリアリティがあるのか、
私には全然分かっていなかったりするのですが、その理屈はあまりわかっていなくても、爽快感のある作品に仕上がっています。

また、サイバー系の話と聞くと、その響きから妙にスマートというのか、
クールな印象を受けがちですが(私がアナログだからでしょうか?)、
アツさを持った疾走感があります。
そして、社会に適合できず自らを否定的にしか見られない是枝が、
秀でた一芸しかないのなら、それを突き抜けてやり尽くせと周囲に後押しされながら、
成長して自分の居場所を作っていく、その成長がいい感じな作品です。 

閉塞感を感じていて、それを破る爽快感を求めている方にお勧めの作品ではないかと思いますので、
そう感じている方はご一読されてみてはいかがでしょうか。

 ということで今回は、自分はやりたいことができる立場で、かなり好き勝手やっているので、
閉塞感は感じないのですが、周囲が乗ってこないなぁ、というのがストレスです、
または、コンスタントに更新できるようになるといいなぁ、という話。


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貧乏料理と文学と私-高尾じんぐ「くーねるまるた」- [漫画]

安倍吉俊「NieA_7」のまゆ子の科白だったか、貧乏であっても「貧乏くさいじゃない!」と、貧乏人なりに見栄を張るというのか、そういうシーンがありました。
貧乏という状態を今日明日に改善する、というのはいかんともしがたい。けれども、だからといっていかにも貧乏に見えるのは格好悪い(そこは見栄を張るなどして対処できる)と、そんな微妙なプライドを覗かせるシーンでした。

私自身、バランスシートでいうと、4~5年ほどだったか、いかに切りつめても月平均1万程度足が出る、いわゆるワーキングプア(以下)な生活をしていたことがあります。
それで、一時期改善されたものの、再就職に際し、また、結構ぎりぎりの生活を与儀なくされる(蓄えを切り崩せば当座は問題ないですが…)生活に逆戻りとなっていたりします。

…と、何故いきなり貧乏話かと言いますと、今回取り上げる作品は、基本、経済的に余裕のない女の子が主人公のものがたりのためです。 

ということで、今回取りあげるのは、
高尾じんぐ「くーねるまるた」(小学館 現在2巻まで)
になります。現在も、ビッグコミックスピリッツに連載中の作品です。

SSCN1272.JPG 

私自身は、この方の作品は、「くーねる…」が初見だったのですが、これがデビュー作というものではなく、いくつか単行本が出ているようです。絵柄が好みな方なので、まだ簡単に入手できるのでしたら、手に入れたいなぁ、と思います。まあ、作品の内容次第でもありますが。…ヤングガンガンかぁ。どんな作品なんでしょうか。

で、絵柄の話が出ましたので、絵柄というのか画風について。
丸ペンを使用していると思うのですが、若干ひっかかりがある箇所が見られることがあります。また、背景にドットのトーンのベタ貼りで、ポップな印象があります。 

トーンで気付いたところとしては、キャラクターの顔の紅潮した際の表現にトーンを使うことはありますが、他の部分では、他の漫画などではよくみられる「立体感を出すためなどに顔にトーンを張る」ことがほとんどない(ごくまれに、つかうこともあります)という辺りや、
背景にもトーンは使用するものの、結構細かい所まで、ペンで表現する箇所がまま見られ(細い線を重ねて表現する箇所が散見されます)、それが全体的にマッチしている、というのが特徴でしょうか。

絵柄の雰囲気はというと、手許にないんですが、窪之内英策に近い感じでしょうか。ポップな印象と、背景の細かさから似ているように感じるのかもしれません。

画力としては、安定している方ではないかと思います。

ものがたりは、ポルトガルからの留学生だったのが、日本を気に入りそのまま残ることにした女の子、マリア・マルタ・クウネル・グロソ(マルタさん)の、貧乏グルメと文学の話。エッセイ漫画に分類されます。
ジャンル的には、日常エッセイものといい、文学といい、個人的に好みです。なので、絵柄などの評価も甘めになっているかもしれません。


惜しいなぁ、と思われるところについても。
単行本に、作品に出てきた料理の簡単なレシピというのか、が載っているのですが、これが簡単すぎて分量等がよく分からず、「ちょっと真似てみよう」と思っても、真似ができません。

この辺り、よしながふみの作品などでは、単行本片手に再現が可能ですから、料理を扱っているのでしたら、少し配慮していただけるとありがたいように感じます。
…はたと気づくに、みんな作品の料理を真似ようとするほど貧乏じゃないと考えられているんでしょうか? そうか? そうなのか? 私が想定外の貧乏なので、上記のように思うのかもしれません…。

あとは…、そうですね。主人公マルタさんの体のラインでしょうか。
モデルのようなスタイルではないように、との意識もあるんでしょうが、食いしん坊な方ということで、ウエスト周りをあまり絞らないように意識して描いているように思います。
…胸が大きめなキャラクターだから、そう見えるんでしょうか。単に、作者のクセなのかもしれません。デフォルメの関係で、他の漫画では、モデルと見まごうばかりのウエストで描かれることがあるので、高尾…の方が写実的というだけで、その対比で気になるだけかもしれません。
ただ、なんとなく、絵柄からすると、もっとウエストを細く描くのが一般的のように感じます。…デフォルメ慣れ?

まあ、それはともかく、構えずにお気楽に読めて、案外薀蓄にも満ちている、そんな作品ですので、上記に挙げたようなところがちょっと気になる方は、ご覧になってみてはいかがかと思います。

ということで今回は、一度、作中にあった夏ミカンのジャムを作ったけど、砂糖減量で作ったので、苦み走った出来になったのは内緒、という話。


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尻すぼみにならぬように-モリエサトシ「星空のカラス」- [漫画]

本当に久々に漫画の単行本について書こうと思います。…恥ずかしながら、何年振り?というくらい、単行本の感想書いてなかったですね。ブログのタイトル、変更した方がいいかもしれません。

それはともかく、従前通り、大したことは書けないかと思いますが、「こんな作品あったんだ」という、ちょっとした気付きの手助けになれば、と思います。 


で、今回取り上げる作品は、モリエサトシ「星空のカラス」(白泉社 現在2巻まで)になります。

私は、女性向け方面は弱いので、存じない方でしたが、この方、結構単行本は出していらっしゃるようですね。

SSCN1266.JPG

カバーはこんな感じ。花とゆめコミックス、基本的なカバーレイアウト変わっちゃたんですよね…。
慣れていることもあって、従前のものの方がどちらかというと好きなんですが、古臭いイメージになってきているので、イメージチェンジということなんでしょうか。
…作品タイトル部分の空白分、カバーイラストが小さくなって、インパクトに欠けるからかもしれませんね。

ただ、言わせていただくと、既存分はそのままに、新規に1巻が出る単行本から変更、の方が個人的にはありがたかったのですが。途中から変わるのは、正直、なんか変な感じがします。

hoshizora1.jpg
コレが…

hoshizora2.jpg 

こんな感じに。…やはり1巻のレイアウトの方が好きなんだけどなぁ。 


ともあれ、作品について。あらすじはこんな感じ。
主人公は、烏丸和歌(からすま わか)という13歳の女の子(1巻のカバーの娘さん)。でも、年齢と名前を伏せて、従姉の名を借りて囲碁を打っている。それは、囲碁を打つのを母に反対されているから。そんなある日、「オレ様」な、傲慢で軽薄な若手棋士鷺坂総司(さぎさか こうじ 2巻のカバーのにいちゃんに出会って…、という話。

画力的なところを申しますと、のっけから、否定的で申し訳ないのですが、単行本の数の割には…、という印象が否めません。
他の作品を知りませんので、えらそうに決めつける意図はありませんが、この方、絵柄に重きを置いている方ではないように思います。

特筆すべきは、やはり題材が囲碁ということではないかと思います。女性向けで、囲碁というチョイスが面白く感じられます。ジャンプで「ヒカルの碁」が先行してヒットしましたので、前代未聞というものでは決してありませんが、なかなか興味を持ちにくい題材ではあるように思います。
で、囲碁をダシに使ってメインは別のところにあるというものではなく、盤面全体こそあまり出しませんが、局地戦については、画面上に描くなどして、題材をおざなりにしていないのも、個人的には気に入っています。

他に囲碁を扱っている作品というものを見かけませんので、題材の掘り下げ方を比較し吟味できないところは個人的に残念なのですが、それだけ漫画作品の題材としてマイナーなものを扱おうという意欲が素晴らしいと思います。

で、それだけマニアックな内容となっているのかというと、そんなことはありませんで、きちんと主人公の女の子が女の子してますし、漫画作品として成立していますので、「囲碁?そこはどうでもいいよ」という方も、読める作品となっていると思います。

ものがたりの各論というのか、かなり些末なところになりますが、年齢に似合わない(実年齢よりかなり年上にみられる)容貌の主人公の女の子の、思いがけずドン臭いところなどは、個人的に結構好きだったりします。

あと、これは、別に描きたいところがかなり異なっているので、心配するようなものではないと思いますが、同じ題材の作品としてほんの少しだけ引っ掛かってしまうのは、件の某作品のように尻すぼみのぱっとしない終わり方をしてほしくないなぁ、ということでしょうか。

あの作品、取ってつけたような展開をせざるを得ない事情があったのかもしれませんが、佐為(って書いちゃいました…)がいなくなってからの展開の締めとして、昔の人から受け取ったものを、後の世代へ引き継いでいくという役割を担っていく(といったニュアンスだったと思いますが、人に差し上げてしまったので単行本が手許にありませんで、全然違っていたら申し訳ないです)などという辺りが主人公の口から語られていましたが…、そんなこと、引き伸ばして描かなければならなかった必然性が感じられず、結構残念でした。
佐為との訣別、そしてヒカルの成長を描くにしても、もっと短いエピソードで十分だったように思います。

この辺り、日本が勝てなかった点を取り上げ、他の国への配慮というのか圧力というのかがあって…、と云々するような方もまま見られましたが、個人的には、あの話の中で、国別対抗の勝ち負けってそんなに重要だったのかなぁ、あまり重要でないところに気を取られ、作品の読むべきところを見誤っているのでは?と、当時思ったりしました。まあ、人の読み方はそれぞれですし、自由に読めばいいものですから、「正しい読み方」が存在する訳ではないですけれども。

…と、話が随分と逸れました。
ともあれ、そのような展開を見せる作品ではないと思います。また、従前の単行本の連載の長さを見るに、端的にまとめてくれそうな印象がありますし、作者も、もともと2巻完結の予定であった旨単行本の中で書いていましたので、そうは引っ張らず、最後まで楽しませていただける作品にしていただけるのではないかと、思っています。

ということで今回は、久々の漫画についての感想、という話。


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コミティア105に(一般)参加しました [オフ会・イベント参加]

先週8月18日はコミティア105に行って参りました。

今回の会場ですが、会場はホール2つで、少し規模は小さめ。入りとしては、あまり混んでいない状態でした。この辺り、その前の週にコミケがあったこととも関係するのかもしれませんね。

comitia105-1.jpg

会場の、とあるスペースの様子。

で、感想。
回ったところですが、今回は少なめでした。ほぼ毎回のように参加されていて、いつも伺っているサークルさんの参加が若干少なかったのが影響したように思います。
で、収穫物というか、購入物はこんな感じ。

SSCN1264.JPG

丸山薫速水螺旋人まつむらまきおM.WOLVERINE。上の版の大きい前嶋重機の2冊が私には珍しい感じでしょうか。 

SSCN1263.JPG

上記の方に加えて、商業で活動されている方として、才谷屋龍一木野陽(単行本を見かけたことはないのですが)、でしょうか。 


また今回、特筆することというと、こうの史代の参加でしょうか。
ご本人のペーパーによると、6年ぶりの参加だそうで。久しぶりにお見かけしました。
現在、彼女の地元広島の比治山大学短期大学部で客員教授をやられているそうで、学生さんといらしてました。

また、『この世界の片隅に』のアニメーション映画が進行中だそうで、その監督さんの特別講演が9月1日にあることを知ったりしたのですが…、公演場所、広島だもんなぁ…。
とりあえず、映画の公開を楽しみにしようと思います。

で、カタログというのか、「ティアズマガジン」を見ていて分かったこととして、次回10月20日(何故、11月ではなく、あまり間を措かず、10月開催なのか不思議ですが)は、第二回海外マンガフェスタが開催されるそうで。
「天空のビバンドム」ニコラ・ド・クレシー「ブラック・サッド」シリーズのファーノ・ガルニド、日本の漫画家として、松本大洋(!)が参加する予定、とのことです。
行かねばなりません。


で、終了後は、友人と軽く食事などしつつ、話もしつつでお開きとなりました。

comitia105-3.jpg 

で、もう一つ画像の添付。
帰りに撮りました、私にしては珍しい、夕~夜に差し掛かる頃のビッグサイト(…テケトーに撮るから、ブレブレの画像ばかりですね、今回)。
10月に、再訪の予定です。
待ってろよ! と言っても、別に動き出すわけではないですけども。 

ということで今回は、普段参加されているサークルさんが、大分減ってきてしまっているので、新規開拓の時期なのかもと思いつつ、読む漫画が溜まりに溜まっていて、それどころではないともいえ、漫画に埋もれつつある自宅で思案中、という話。


タグ:COMITIA105
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何年ぶりかのレイトショー [鑑賞]

昨日も大概でしたが、今日も暑いですね。
室温が35度を超えているのは、正直きついです。意地でもエアコンは使いませんが。

さて、前回のエントリで、『ショート・ピース』云々という話をしました。
昨日は夕方すぎても一向に気温が下がらないこともあり、一時的な避暑を兼ねて、上記映画を観に映画館に行きました。レイトショーだと料金が安いので、レイトショーの時間に合わせてみました。

レイトショーに行ったのは、前回は何年前だったかと思い返すに『BLOOD-THE LAST VAMPIRE-』に行って以来でした。久しぶり(2000年に公開なので、13年くらい?)、というか、実のところ今までで2回目だったりします。


で、映画ですが、まず本編の前に。
観に行った映画がアニメーションなので、仕方ないところもあるのですが、予告でアニプレックス関連のものが次々に流れていました。
正直、「別にその情報はいらないんですが…」と、妙に恥ずかしいものがありました。

で、本編についても。
基本、楽しめたのですが、それだけにもっと楽しめたらよかったのに、という思いもあり、以下のようなところが、少し気になりました。
ネタバレありますので、久々に「続きを読む」も使います。

続きを読んでやってもいいよ?


タグ:SHORT PEACE
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何年ぶりかの映画 [鑑賞]

ブログの更新もタイトルほどの間隔ではないですが、久々の更新。

前回のコミティアへの一般参加とオフについて、下書きは書いていたんですが、ダラダラとしていたら上げる機を逸してしまいました。
友人とそのご兄弟と話をしたのが楽しかったのですが…。まあ、今更自分の怠惰を愚痴っても仕方ないですね。

美術館の展覧会も「ラファエロ展」とか、「クラーク・コレクション」展とか見に行きましたが、それも…。

まあ、義務で書くようなものでもないですし。

…と、グダグダっぷりはこのくらいにしまして、映画。ジブリ関連の作品を観に行きました。
…と書くと、マイナー嗜好傾向の(自分ではそう思っていませんが)私にしては珍しいように思われますが、多分そうではなく。

観に行った作品はこちら。
「風立ちぬ」イグナシオ・フェレーラス監督作品「しわ」

『しわ』パンフ.jpg

この作品、教育番組のコンクール「日本賞」の2012年度のグランプリ受賞作です。それで、昨年末、地上波Eテレで放送した(このとき見られたら無料だったんですが…)のですが、それを見損ねてしまったものです。
以後、すっかり頭の中から消え失せていたんですが、先日、無関係のアニメーションか何かの録画のCMで、劇場公開することが分かりまして、そろそろ公開終了しそうになっていたところ、何とか観に行くことができました。

原作は、スペインのパコ・ロカいう人のBD作品「皺」になります。

どんな作品かと申しますと、こんな感じ。
主人公は、エミリオ(上記の画像の一番右の人物)。元は、銀行の支店長でもあった高齢者の方。最近になって、物忘れであったり、昔の記憶との混濁が出てくるようになった。自宅での生活が難しくなったので、ホームへ入居することになるが…、という高齢者の施設入所とその施設での生活を描いた作品です。 

作品の感想はこんな感じ(多少ネタバレ含みます)
日常を描くものなので、劇的な変化というのは乏しく、基本淡々としているものの、きちんと拾っていって機微を感じる作品ではないかと思います。

また、私は先行して原作を読んでみましたが、映像作品として流れをつなぐのに、原作を補充・改変しているのですが、いい具合に変化させていると思います。

また、主人公が何度か苛立ちを顕にするシーンがありますが、それについても。
実際の仕事で、一般の方よりは、障害を持つ高齢者の方と関わる機会がある身としましては、主人公の苛立ちというのは、実際の高齢者の方で、似たような様子を拝見することがあります。また、他の職員づてに、高齢者自身の言葉として「最近、何か変なんだ」といった言葉を聞いたりします。
高齢者自身「よく分からないが、自分が何かおかしい」とは感じているものの、原因も分からずおかしなところも改善されないことから、不安は解消されないため、苛立ったり、他者から見ると奇行とも思える行動につながったり…、ということです。

また、表現として面白いのは、私たちが見る景色と、一部の高齢者の方の見る景色が異なっているところの表現が面白く、秀逸ですね。

他には…、そうですね。時間の描写についても触れましょうか。
これは意識して行っていると思いますが、主人公エミリオがメインの舞台となっているホームに来てから、どのくらいの時間が経過しているのか、実はよく分からないところが面白いと思います(季節の描写はありますが、それが数か月なのか、年が一回り、もしくはそれ以上、して数か月なのか、よく分からないんですね)。
これは、同じような日常を過ごす中、入所してからどのくらいの時間がたったかというのは、本人にとって、あまり意味のないことというのを示しているのかもしれません。
椅子が並んでいるところにエミリオが座り、他の高齢者や職員が入れ替わっていく描写がありますが、この辺りも、エミリオ本人にとって流れている時間と、周囲(特に施設職員)の時間の流れの違いを見て取れるかもしれませんね。

より、作品の細かい話をしますと、原作の補充なのか、なるほど、なかなか面白いと感じたのは、ジャケットの上に主人公がセーターを着てしまっている点について。原作では、単に着る順番を忘れてしまったためともとれるのですが、ボタンを留める動作が難しくなってしまったから、というのがあると、説得力があるように思います。

淡々としている、ということについてもう少し。
私自身が、作り手の意図をしっかり汲み取れたかというとそんなことはないと思いますが、ぼんやりとみていると、結構見過ごすようなさりげない表現がまま見られていたように思います。

原作には、あまりそのきっかけは明確に描かれていないのですが、主人公のルームメイト、ミゲルが主人公の世話をしたり、他の入所者に対し、できる限りの援助をするシーンが描かれていますが、そのきっかけとなったであろうシーンを、他の人はどう受け取ったのか、この作品をご覧になった他の方に伺ってみたかったりします。
…全部、説明できないといかんというのは、無粋かとも思いますけれども。

いくつか引っかかるところについても。
私自身の、浅い経験でものをいうのもなんですが、オリエント急行の旅行をずっと続けている女性のエピソードがありましたが、あれは…そういうこともあるのかなぁ、と思いました。過去と現在の境界があいまいになっていると感じることはありましたが、そっくり過去に生きていらっしゃる方は私自身はお見かけしたことがなかったものですから。

もうひとつ。画像を挙げていますパンフ。高いなぁ、というのが一つあります。値段に見合った内容がありません。また、手紙風になっているのは、こじゃれているとは思うのですが、何故、手紙風なのかな、と。作中、手紙がポイントとなるような箇所もありませんでしたし、理由がよく分からなかったりします。この辺りに凝るなら、内容に力を入れてほしかった…。

と、職業柄、高齢者の方と…といったことを書きましたが、映画を観た当日は、その後に就職の面接に行きました。実際、今月末をもって、今の職場を退職して、別の仕事に就くことが確定していたりします。

のらりくらりやってごまかしていけるかもしれませんが、正直、気が乗らないことを仕事にしている時間は私にはないように思いまして…(しっかりとした引き継ぎの期間を設けず「辞めます」と言ったため、しこたまブチ切れられましたが)。

ということで今回は、前に見た作品って…、思い出せません、次に行くとしたら『ショート・ピース』だろうから、実写映画は本当に全然見なくなったなぁ、という話。


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美術展に立て続けに行く(2) [鑑賞]

また、微妙に更新間隔があきましたが、前回の続きをば。 

先日は、エル・グレコ展についてエントリを挙げましたが、
今回は「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」について。

DSCN1229.JPG

ルーベンス「フランダースの犬」で、日本では有名なのかもしれません(私は、まともにかのアニメーションを見たことがないのですが。あんな辛気臭いアニメ、見たいと思いませんし)。

印象というのか、全般に言われている特徴・印象ですが、「肉体!」な感じが非常に強いですね。
私には「肉体推し!」という言葉がかなりしっくりくる印象でした。

今基準でいうと、結構太目というか、ムチムチしてます。
また、その肉体を前面に出した印象もあるからか、かなり、対象に寄って描かれているというのか、画面構成上、空白が少ない感じもします。

DSCN1236.JPG 


上の、キリストの復活を描いた作品「復活のキリスト」を観たときの正直な印象を申しますと、死からの復活というよりは、寝起き?というくらい、肉体にエネルギーが満ち満ちてます。右胸の聖痕などあっても「これくらいでは、なんともありませんけど?」と言わんばかりの力強さを感じました。
あ、いや、非難しているのではないんですよ? 復活の力強さに満ち満ちてるなぁ、と。
キリストの亡骸を描いている「キリスト哀悼」などと比較して、その活力に満ちている様子が面白いと思ったものですから。

また、デカい作品で本領を発揮された方なのかなぁ、という印象もありますね。

いや、小さめの作品でも、「なんだかなぁ」という残念な作品を描いていたという意味ではないんです。ただ、どちらが魅力的かと訊かれたら、間違いなく、大きい作品の圧倒的な力強さに魅力を感じます。ゆえに、あの肉体!な作品なのかもしれません。あの肉体!だから、大きな作品なのか、それはわかりませんが。

DSCN1235.JPG

「聖ドミティッラ」
習作、ということですが、個人的に、今回の展示の中でも非常に好きな作品でした。
下画像の右側、「自画像」もですが、明暗の具合が素敵だなぁ、と思います。

DSCN1232.JPG 

展示を見ていて気になったのは、展示の年代にかなり空白があって、その変遷について、展示からははっきりしなかったのですが、ルーベンスの作品の描き方に、転換点があるように感じました。

不勉強なので、実際にそういう転換期があるのか、たまたま、そういう作品の集まりになったのかはわからないのですが、1630年代ごろから(でしょうか)晩年は、私が思う「ルーベンス的」なタッチではなく、また、画面構成もあまり空白のない構成だったものが、割と空白のある画面構成になっていたり。

あと、今回購入した絵葉書のもう一枚、上画像の左手の作品、図録の表紙でもありますね、の「ロムルスとレムスの発見」ですが、一見するとさほどの違和感はないのですが、じっくり見てみると結構な違和感がありますね。ぱっと見、違和感を感じさせないのはすごいと思います。

捨てられた双子のロムルスとレムスが生き延びていて、狼とキツツキに育てられていた、そこを作品右手の羊飼いが発見したという場面なのですが…。

左手のひげをたくわえた男性はテヴェレ川の擬人化、およびその隣りの水源を象徴する女性ニンフは不可視の存在として描かれているのでは、という話ですが、同一画面にこのお二人まで入って描かれていると、こんなに賑やかな場面に感じられ、「捨てられたものの、実は生き延びていて、それを発見した!」という感じがあまりなかったり…。
素敵な作品なのですが、じっくり見ると違和感があったりします。

あとは、…そうですね。ルーベンスの作品というのと全く関係ないのですが、気になるというところでもう一つ。
私自身と展覧会との相性なのかもしれませんが、Bunkamuraでの展覧会について、どうしても消化不良というのか、手放しで「すごく良かった!」という印象を持てないのが気になります(以前のダヴィンチ展でも、似た印象がありまして)。

何か、今回のルーベンス展を見て、なるほどルーベンスというのは、こういう作品を描かれる方なんだというのが、つかめた感じがあまりなくて…。単に、私の勉強不足と言えばその通りなんですが。

ということで今回は、不勉強を棚に上げてみた、という話。


タグ:ルーベンス
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